戸田市の設立専門税理士の田村です。
創業(起業)にあたっての役員報酬の決め方について説明させて頂きます。
実務で法人を作ったばかりの方の相談を多く受けますが、役員報酬の決め方については、なんとなくで金額を考えている方も多いです。
役員報酬の金額設定については、ただの「生活費の希望額」や「気分」で決めてしまうと、後々、税金や社会保険料、資金繰りの面で大きな問題になることがあります。
戸田市での創業(起業):事業計画の利益は参考程度にしておく
まず最初に考えるべきは、「会社に役員報酬を払う余裕があるかどうか」です。
余裕があるかどうかを判断するにあたって事業計画書などを思い浮かべる方もいるかもしれません。
私も仕事がら創業時の事業計画書の作成をお手伝いする機会も多いです。
その際に毎月の売上金額や経費の金額、利益の金額を作成したりしますが、基本的にその通りにはなりません。独立時に継続的な収入が得られる契約がある場合は別ですが、例えばお店を出して初めて事業が開始できるような場合はやってみないとわからない、というのが一般的です。
ここでご提案するのが、「自分の生活費をまかなえる最低限の金額」です。
役員報酬は、一度決めると毎月、固定で会社から支払らう必要があります。
赤字でも、売上がなくても、給料として支払い続けなければいけません。
設立したばかりの会社は、最初から安定した売上があるわけではありませんよね。
なので、役員報酬を高く設定しすぎると、資金繰りを圧迫してしまうリスクがあります。
そんな中で一番、目安になりやすいのが「自分の生活費をまかなえる最低限の金額」
になります。
戸田市での創業(起業):法人税と所得税のバランスを考える
次に大事なのが、「税金のバランス」です。
役員報酬を高くすれば、その分、法人の利益は減り、法人税も下がります。
しかし、あなた個人の所得が増えることで、今度は所得税や住民税が高くなります。
逆に、役員報酬を少なくすれば、法人の利益が増えるので法人税が高くなり、
あなた個人の所得税は安くなりますが、その分、法人にお金が残る形になります。
この法人と個人の“税負担のバランス”を見て、
トータルで一番得になる金額をシミュレーションすることがポイントです。
1つ極端な例でご説明します。
給与は500万円で、法人は500万円の赤字だったとします。
この場合、法人税はほぼゼロですが、
所得税・住民税は30万円ほど発生します。
このような状況であれば、そもそも給与を支払わなければ
給与ゼロ、法人の利益もゼロになります。
給与ゼロであれば、所得税・住民税はゼロですし、法人も利益がゼロであれば 法人税はぼどゼロになりますので、給与を支払わなかった方がトータルの税金は低くなります。
戸田市での創業(起業):社会保険の加入要件に注意
3つ目のポイントは、社会保険の加入義務との関係です。
会社設立後、法人であれば、たとえ1人社長の会社であっても、
社会保険(健康保険と厚生年金)への加入が原則として必要です。
そして、役員報酬を設定すると、それに応じて社会保険料も発生します。
社会保険料は、会社と個人で半分ずつ負担ですが
一人社長の法人は会社と個人の立場が同じなので全額負担と同じになります。
たとえば、役員報酬を月30万円に設定すると、会社と個人あわせて社会保険料だけで月8〜9万円かかることもあります。
「思ったより手取りが少ない…」「会社の経費負担が増えた。。。」ということにならないよう、
社会保険料も含めたトータルのシミュレーションが必要です。
戸田市での創業(起業):一度決めたら原則1年間は変更不可
ここまでで金額を決めるポイントを3つご紹介しましたが、
実は、役員報酬は「期の途中で変更できない」というルールがあります。
税法上、「定期同額給与」といって、基本的には毎月同じ金額を支払う必要があり、
期の途中で金額を変更すると、その後の支払い分が経費にならなくなる可能性があります。
つまり、節税にならないどころか、会社の利益が増えて税金が増えることもあるんです。
ですので、設立時には慎重に、そして事前にしっかりとしたシミュレーションを行って、
年間を通して無理なく支払える金額を決めることが大切です。
戸田市での創業(起業):まとめ
それでは最後にまとめになります。
設立時の役員報酬の決め方はについての注意点です。
- 自分の生活費をまかなえる最低限の金額
※事業計画書の利益は参考程度 - 法人税と所得税のバランスを考えてトータルで損しない金額を検討する
- 社会保険料も含めた実質的な手取り金額を把握しておく
そして、一度設定すると基本的に1年間変更できない点も要注意です。


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